先月は、それなりでなく本当に大変だったけど。心の友達がうちの2階に少し暮らしていて、僕の仕事も含めとても助かった。ここまでタイミングが合ってしまう人は、そうはいないなぁ。うちの近辺はすごく静かなところだから、寒かったろうけど、心地よく過ごせてもらえたようでよかった。今は、僕が寒い思いをしながら眠っているよ。まだインスタントコーヒーしかないような部屋で。
先月は美大予備校の撮影をたくさん。12月になると受験でムードが変わってきちゃうからね。これがまたよかったんだ。僕は以前、美大生の卒業制作を彼らより死に物狂いで撮っていたけど、それより可能性がわからない感じ。作っているものは受験用で、うわー上手だね、みたいなもんだけど、何がいいかってこの汚れのなさ。この若い人たちの可能性を削るかもしれないことをしているのは、上の世代かもと思うと、カメラを持つ手にも力が入る。撮影の最後の方で、エレファントカシマシの宮本さんみたいに、どーんと描いている女の子がいて、静かなアトリエの中で明らかにうるさい。でもそういう方がいいんだな。僕は彼女にやがて怒られないように、愛を持ってあくまでパンフレット的に撮った。
今月は、特に予定というものを見るまでもなく(ないものは見れない)。僕の今年の撮影は先月末で仕事納めとなったようだ。2ヶ月間旅に出ていたけど、去年よりも売り上げはよし。ふと自身が落ち着いた今、気づいたら残り数千円しかないのだが、これは久しぶりによい状態になったなぁと思える。これだよこれ、懐かしい感覚でちょっとだけ嬉しい。こうならないと、僕は物事を進めようとは思えないのだ。
今日も何人かの心の男友達から同時に、いろんな手が電話機を通して差し伸べられた。おそらく誰もが何かを抱えている人間でありながら、それぞれのやり方がある感じが良いじゃないか、この世界。みんな、本当にありがとう。
越える旅を、もうしたくなかったはずなのに、いつまでも何回も、人生でするんだね。きっとよくなるし、もっといい景色が見えるようになる。ひとりじゃないから、一緒に旅をしよう。この冬は、ゆっくり熱燗でものむべ。こんな女性もいてくれた。これは稀なケースだな。
友達はいいなぁ。いつもの土鍋釜がないので普通の鍋で炊いたご飯、作ってくれたインドカレーを食べながら、おじさんふたりでしみじみと。僕にはまた、いつもの希望が集まってくる。
#3381-16-12 / La esperanza 2(Indian curry)