ほったらかしにしていた仕事も終えつつ、やっとなんにもしない時間が増える。
収納から羽毛ぶとんを取り出すと、さっそく埋もれる猫たち。
ゆっこが録音していた、展示イベント、児玉峻のギター演奏を流す夕暮れどき。
ちゃす、ろくにおしゃべりもしない音楽家を、素直にいいなぁと思う。
2年に1度だけ、旅に出る。それで2年に1度、写真を飾る。
あとは、自分では、なんにもしてないようなものだな。
ゆっこと近所のオーケーストアに買い物に行くか、自分の写真を眺めているか。
2年のうちの1年間は、制作も含めた旅だけで終わっていく。
余韻に浸り続けたいものだが、それではどこへも行くことはできない。
体の調子はわからない。やたら食べまくっているし、気になる咳は長引いている。
あと2ヶ月は、僕でなくても構わない、ただ唱えてみる。
僕でなくてもいいのなら、急に思い立って、様々な写真をまとめ出す。
この一瞬で、さっそくそこに埋もれる猫たち。
結局のところ、なんにもしない時間の中から、なにかが生まれている。
#3351-16-10 / Nozarashi-sou 2