メキシコ、グアテマラ(+ホンジュラス)キューバ、旅の終わりに
62/62
時差による日数を間違えて、ひとつ分母を増やしてしまったらしい。最後くらい自分で書けということらしいので、深夜に友達が家に置いていった屋久島焼酎「愛子」を飲みながら書いている。
ゆっこ旅日記は、以前の南米旅(アルゼンチン、パラグアイ、ボリビア、ペルー、チリ)でも旧フォトログに残した。世間の人に読ませる体で書いてない感じが僕は大好きで、誤字だらけの小学生みたいな日記は、実に彼女らしさを感じるし、とても真実なので今回もやってみた。
ここに載せてきた写真(Yusuke / Yukiko)は、自分の癖を知ったり、バランスを取らないためのトレーニング(の時点で取っていたりする)だったりしたんだけど、あまり有意義な感じにはならなかった。いい写真バンバン載せたいのに、そういうわけにはいかんだろう、と常に中途半端。僕の周りの人たちは写真を見る眼があり過ぎる(笑)ので、半分以上はそんなこと気にしてばかりのダメなセレクトだったと今は思う。
長旅をこんな旅だったとすぐ総括するのは、バカバカしい作業。それは数年は経たないときっと分からないよ。現に2ヶ月のほんの一部を紹介していくだけで3ヶ月かかった。僕はそれをやりながら、あくまでよい展示をする準備だけ。1/62、これが終わる頃、新たな旅が始まっていますように、そのための儀式でしかなかったような。
実際の旅の中頃まで、彼女がこんなにも民芸品を買うだなんて思ってもみなかった。日記にもあったが「重さでよいんを感じながら歩いた、手がふるえた」この部分が、この旅で一番良かったことだと今のところ思っている。キューバ土産はセンスなくて、日記にも退屈さが溢れていた感じも今回の旅だったなあって思う。何から何まで共通なふたり旅なんて、絶対面白くはないと思うな。
僕のすべての写真、3ヶ月かけて、2650点から366点に絞るまでが精一杯だった。ここから先を選ぶことが大変で(だってみんないい写真なんだ!)、ここからは作業でなく、本格的な想像の世界に入っていく。いつも必ずやってしまう制作上の調整事も出来るならあまりしたくない(性格的に絶対しちゃうんだけど)。まずそんな自分との対決が待っている。2年前の南米旅では、ふたり旅をしながら自分の写真を撮ったり撮れなかったりすることに葛藤があったりしたが、この旅では少しでも僕に合わせようとしてくれた彼女にまず感謝をしたいと思う。
先日、友達からほとんど譲り受けた高性能プリンターで、しばらく動かしてないってことで試しに何枚かプリントしてみた。すげーいい!、これまでの展示で使った古いプリンターはなかなかモニター通りのプリントにならなかったが、これは一発だ。ありがとう、その感謝と共に3周目の旅に突入だ。フィルムで撮ってるのにわざわざデータ化して、何をやってるんだと今まで思ってきたが、これが今の僕のやり方なんだから、写真もまだ結構おもしろいな、と思う。
62/62、長きにわたり、旅の軌跡を見てもらった方々、どうもありがとう。うまい具合に、今月末の誕生日までに終えることができたのでよかった。
ここからは、やや宣伝。
おそらく30代最後の作品「MANO A MANO」(Mano だけだとスペイン語で手という意味)7月8月9月とみっちり制作(仕事も)して、10月中に、おもしろい仲間たちが作りあげてきたオンボロながら素晴らしい空間にて、ユッコ商店や仲間たちと共に企画展をするだろうと思う。この数年間、そんな日をイメージしながら旅を選んできたんだなぁと思うから。その調和の中に「対決」を選びたがる僕がいること。それが作品に映ればいいなぁって思う。
そしてもうひとつ、できれば年内、来年始めくらいに、2年前の南米写真展でなぜか出しそびれた最高の写真群(40点くらい)と、今回の最高な部分だけを対決させたここ数年のベスト旅写真展、なんとかそこまで辿り着きたいと思っている。プリンターから出てきた写真は、アルゼンチンで旅の初日に撮ったもの、最初の一歩ってやつだね。
来月から撮影ごとの予約もたくさんあって、楽しみなことが増えてきた。最後の30代はのんびりも忘れずに、らしく駆け抜けたいと思うよ。
#3330-16-06 / Primera foto con EPSON PX-5V