晩ごはんを食べた後、電話がある。今年の僕の電話は、もう仕事の時以外は鳴らないしきたりなので、おっ仕事だな、と思ったらギタリスト児玉峻からだった。
我々同士では、メールやらには価値を見出せないので、特に相手に伝えたいことがある場合には電話である。僕は最近、ほんとに興味がないメール類にはたまに無視すらできるようになった。すごい域に達したと自分でも思う。峻から電話がある時は、今日か明日あるライブの誘いがほとんど。でも違った。福岡から電話をかけてきた。
同じくギタリストのカヤさんが、戸越に仮住まいしてから、二人は意気投合というかミュージシャン同士の語らいを続けてきた。カヤさんが福岡にいた頃、大変世話になったという凄腕の音楽エンジニア(+色々)さんがいて、僕も最近、福岡に行った時には会っていた。すごいビッグ過ぎるミュージシャン(絶対書けない)の仕事もされてきた方であり、2月にあったライブ後の深夜にラーメン食べたいうるさい僕らを、わざわざ車で長浜らーめんまで運んでくれたりしたお方(カヤさんから見ればとんでもない話)でもある。
峻の年代物ドブロギターの音色を聴いたカヤさん。もうすでにボロボロな音色ということがすぐわかり、福岡に直しに行った方がいいぜ、峻に助言していた。割り箸とかでちょいちょいってやるだけで、すごい音にしてくれる音楽界の魔法使い的な技師さんらしい。それで、今月3人で直しついでに福岡に行って、ライブでもやろうぜとなっていたが、カヤさんのお店計画も仕切り直しな感じもあり、でも峻は福岡に向かって、もうその方にお願いしてきたということ。
電話先で、本当に嬉しそうに感謝の気持ちを伝えてくれる。スケちゃん、オレすごい人に会っちゃったよ!、ありがとう!、子供みたいな顔をしている峻がすぐ浮かぶ。まったくもって音楽バカばかり。でも彼なりの考えで、ことは早い方がいいと行動してるのは見事。彼の70歳だか80歳のギターの音がどう変化するのか、楽しみで仕方ない。
そう遠くないうちに、峻とカヤさんの世紀のライブが実現するんだなぁ。何年待ったかな?、たぶんちょうど5年だね。ほんとに楽しい夏になりそうじゃないか。それにしても、こういう電話ってほんとうに嬉しいな。素晴らしい親友と出会うことができたもんだよ。僕の写真もやがて彼らの糧になれるように、常に刃を研いでおかなくちゃ。
昨夜は満月だったのかな。さっきタバコを吸う時に表に出たら、やさしく僕らを照らしてくれているような気がして、とっても幸せな気持ちになれた。
#3507-17-04 / Guitarist Shun and Kaya 2 / 16-10 / Guitarist Shun 14