iora The Caravan

泣き虫チェルボの大冒険 / 渋谷 JZ Brat SOUND OF TOKYO

 

この場所で撮り続け9年目。あと1年で10周年だ。初期は踊り絵師、神田サオリのライブペインティングで始まった、彼らのありったけのライブ、旅をするキャラバンのように編成を変え、たくさんの人たちと関わらせてもらってきた。いろんな時代があったよなぁ。

アイオラの周と桃。この夫婦には、他の夫婦にはない確固たるものがあって、それがとても多くの仲間たちを引き寄せるような。僕はありったけライブ初期の頃から、いつも何かが変化していく中で、いつの間にか不動のメンバーの一員になってしまった(笑)気が強そうな桃と弱そうな僕は、周と桃に似た関係性も若干あるらしく、もう僕の写真じゃなきゃダメだそうだ。ありがたいお話です。キャラバン内は禁煙、吸うもの去るべしのルールがあるみたいなんだけど、僕ガンガン吸ってるしね!、カメラマンなら大丈夫なのかヒヤヒヤ。

初期の頃はキャラバンメンバーは多すぎて、かつ踊り絵師のライブペインティングまであったから、死にもの狂いでないと写真は成り立たなかった。当時のアイオラは足し算しかできなかったようで、撮り手としてはいつもその日が怖かった。そういう頑張りの時代を彼らはいつも感謝してくれながら、今に至っている。最近の僕の撮り方はまた変わり、こう撮ればいいも知っていて楽勝なはずなんだけど、また違う何かを目指しているかなと思う。9年も経てばお互いの成長が手に取るようにわかって、続けることの大切さを感じることができる。

彼らは自分たちらしさだけを、とことん積み重ねてきた。北海道に移住してからも音楽はとってもよくなり、すごいなぁと思う。昨夜は初期の頃からの名曲を演っていた。静かな曲だから撮らなくていいと彼らから注文を受けたのは初めてだった。写真なんか撮ってないで、聴いて欲しかったのかな、勝手に思う。で、僕は案の定、今までの時代のことなどが蘇ってきて、仕事中に涙を流している。もう勘弁してほしいなぁ。バイオリンの音色とかね。ライブ前半からタイトル通り「泣き虫チェルボ」になってしまった。成長しているのは写真だけ…あとはむかしむかしの僕に逆行しているらしい。

彼らも運命的と感じるタイミングで、必要な時間を共に過ごすことになる。絵描きの神田サオリから確かに受け取ってきたものを、僕はどうしても大切にしながら生きてきたような気がする。僕にとっては希望であり、財産になっているんだな。年に2回の彼らのありったけのライブ撮影、昨夜のは、今までの中で一番よかったなと、最新の記憶は訴えてくる。らしく駆け抜けてきた彼らは、どこまで行くのだろうかと楽しみになる。

しばらく僕は旅の人をしないと思うけど、またいつかと思わせてくれるのは、たぶん彼らのような存在。次回の渋谷ありったけライブは9月26日の火曜日(急にロックかよ?)だそうです。僕の予定をこんなに早く埋めようとするのは、まったく彼らくらいしかいないよ。

 

 

#3469-17-03 /  iora The Caravan 3

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