ようやく自宅に戻れた。猫がしつこいくらい寄ってくるので、ちょっと休憩して書いている。16日から昨日23日まで、ほとんど8日間連続の撮影にあたったことになる。半分は昔から追い続けた者たちの今を撮る。もう半分はこれからの自分が生きるための今を撮る。

カヤさんのいる福岡、ひたすら嬉しい時間を過ごした。ライブ、平和に終わってよかったなぁ。3年前のライブは、悪魔がトビウオに乗り移り、危険な状態を跳ねに跳ねていた気がするが、今回のは、ただひたすら耐え抜いてきた男の潔さを感じるしかなかった。新しい冒険に向けて、それが全てだと思えたな。1曲目と2曲目は、カヤさんに出会った頃と同じで、BLUE、HEY JUDE。14年前と比べたら何かが全く違っていた。人間ってすごいなぁ。曲が始まると同時に、涙とさらに鼻水まで溢れ出て止めることができなくなって、それはもう大変だった。初めてカメラをムービーにし置いていただけなので、ただ聴くことができたから。あぁほんと壊れたな。

その曲以降は、絵描きのポンジー、詩人マーセラスと共に、ただひたすらカッコイイ世界。途中からじっとしていることに耐えられなくなり、いつもどおり写真を撮り始めるしかなかった。ムービーを撮ったはいいけど、現場にある音の世界とは遥かに隔たりがあるので、やっぱりカヤさんの音に対する計算というものは、いつ体験してもすごいなぁと思う。

カヤさんがこの人だけはと呼んだミュージシャン、木下弦二さんは戸越銀座の出身で、お前と気が合うぞと言ってくれたので、その出会いも特別なものだった。僕のために急遽、戸越銀座に捧げた曲を演ってくれて、僕は本当に幸せ者だなぁと思えた。まだあまり聴きこんでいないけど、詩がとてもいい、そこへの音の乗せ方が素晴らしすぎる。勉強できる部分が本当にたくさんありそうな人で、そういう意味でも本当に嬉しかったな。

博多から姫路に移動して、去年からやっている女子校での撮影。放課後に季節の制服コーディネート写真12名以上を撮っている時に、芸能人撮ったことってありますかって声をかけられたけど、つい先日撮りましたってなもんだ。テレビに出てるのが芸能人、別にどうでもいいのだけど、僕は芸能人ばっかり撮ってるよ!、姫路はひとりになったのでやっぱりさみしかったな。誰かに電話したかったけど、耐えた。ドーミーインの部屋で福岡で撮ったムービーの音源を聴いていた。

2日間、必要な写真を撮って、姫路から夜に東京に戻り、翌日の相模大野での撮影のために実家の善行へ。荷物は重い。それまでネットが使えなかったけど、すでに東京に戻った詩人マーセラスが、福岡で撮っていた僕の写真をたくさん載せてくれていた。マーセラスの日本語プレゼンテーション仕事をちょっとだけ手助けしたので(長い文章を朗読して録音しただけ)感謝の気持ちであることはすぐにわかった。

翌早朝からいつもの小学校で必要なカットを冷静にこなしていく。この仕事は10年以上やっているのだが、必要カット以外のところで、あれ、俺ってこんな写真撮れたっけ?、というものが少し顔を出してきているのがよくわかる。明らかにカヤ効果。僕の血の半分くらいは、彼によって作られているのだ。

相模大野では、夜に地元の大切な仲間と会うこともできた。いつかみんなで楽しい時間を過ごした、地下の安い焼き鳥屋に行って、たくさんのことを話す。この撮影旅の締めくくりが、まさかカラオケで終わるとはなぁ。ほんと人生はわからない。カラオケ行ったのはたぶん12年ぶりだな。最近、涙しながら聴いていたやつをたくさん歌ったよ!、貴重で幸せな時間だった。

ようやく終電で重い荷物と自宅に戻った。でも翌日はこれも昔から追い求めてきたガラスアーティスト青木美歌のポートレート撮影。今展示中の銀座にて。昔のフォトログで、僕はカヤさんと青木美歌の記事を続けて並べることにだいぶこだわっていたのを知っている人は…3人くらいいてくれたら嬉しいな(笑)自分が愛や希望を持って続けてきたことは、いつか本当に現実になってやってきてくれるんだな。この撮影は疲れてボロボロの状態だったけど、彼女の希望通りにうまくいったと思う。彼女は北海道で育った人なんだけど、別のしゃれおつ衣装で試したら、え、ススキノ?みたいな感じになっちゃって、静かな会場で人も多かったけど、だいぶ笑っちゃったよ。

大変な8日間だった。でもこれらの体験の連続は、絶対これからの僕を作ってくれるだろうな。写真項目がありすぎて、どの仕事から片付けて(データ編集して)いったらいいか今は本当にわからない。これは10日以上は家にこもりっぱなしだなぁ。

旅、長い期間してればいいってもんじゃないことがよくわかった。僕はこれからもたくさんのことを待ち望みながら、それらを形に変えていく。もう扉は開けることができただろう。あとは君たちと、その道を喜びながら進んでいくだけだな。

 

#3450-17-02 /  Kobe Steel

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