ようやく作品「¡ Mano a mano !」の制作が終わったー!、クールダウンしなくちゃと思ってキーボードを叩いているが、書き終える頃にはさらなる展望が見えてしまい、さらにヒートアップしてしまうのがいつものオチである。
4月に寒いと言いながら帰国して、今日の今日まで毎日展示について何かしらをやってきた。だいたい5ヶ月間、特に8月はそれまで得た構想を一気に形にする。フィルムスキャンから始まり、写真選択、ユッコ商店の撮影に楽しかった行商、小さなプリントをたくさん出して、野ざらし荘オープニング展示の写真を見ながらたくさんラフスケッチ。写真ごとにサイズを決めてプリント(この時がやはり楽しかった)。額装やパネル張り、設置用の木材を切ったり、今まで展示で使ってきた残骸をどうにか役立てたり、既存の安っこい額にちょっと工夫を凝らしたり。手書きのメキシコ、グアテマラ地図や、全作品リスト、販売説明。ひょっとして、僕は毎日こういう(手を使うこと)がしたかったのではなかろうか。
でもそれでは生きていけないので、来月からまた元の僕に戻る。展示1ヶ月以上前に準備を終わらせること、来月仕事で忙しくなるからもあるが、その分新鮮な気持ちで設営時間を楽しめるからだろう。もし明日から1ヶ月間、まとめた作品のことすら忘れる生活ができたとしたら、設営の時に梱包を開けて写真を見た時に、やろうとしてきたことに驚くことができるんじゃないかと期待を寄せたりしてみる。会場の野ざらし荘は、言い方はすごく間違っているけど、僕の中では野にさらされている太古の神殿跡に近い位置付け。僕はそこに現代のプリンターで出した写真を1点1点、神聖な捧げ物をするみたいにして飾っていきたいんだな。綺麗な白壁のギャラリーとかだとそうはいかない。こんなに今の自分にふさわしい場所をオープンしてくれて、本当に嬉しい限りなのである。
ちっともクールダウンしていない。最近展示DMを作ってもらっている際に、ゆっこがフェイスブックのイベントページアドレスも載せたいと言ったので、当然、僕を主催者にして下書きのつもりで導かれるままにボタンを押していたら、あっという間に公開状態になってしまった。すぐに誰かにページをシェアされたり、興味がありますと言われたり、なかなか大変だった。真の後悔状態にもなってしまったわけだが、この慣れてない感じが僅かな人にでも微笑ましく伝わってくれれば、すごくいいなぁって思う。
今回の展示はメキシコ、グアテマラ、ホンジュラスの写真で、僕自身が盛り上がり始めたキューバの写真はひとつも選ばなかった。これはゆっこの意思を尊重している。今までだったら、今の僕の全てを!、なんて思ってきたわけだが、制作を終えてみると、あぁ、これでほんとによかったんだなぁってすごく思う。見る人もただでさえ知らない国なのに、わけがわからなくなっちゃうからね。キューバの写真はまたいずれ、もう一回行くかした後(?)でどこかで発表できればと思う。
30代最後の作品かぁ。でもあとひとつくらい作る余力はありそうだ。僕は僕のことをとりあえずやった。さぁ、次は君の番だぜ。その上で僕がもう一度作品の流れを変えようという気になったなら、いよいよ本当の対決が始まるのかもしれない。いけない、来月は撮影仕事に専念するんだった!、うんやるぞ。
#3341-16-08 / Lista de fotos completa