2010年、途中でやめるかと思ったけど、よくここまでたどり着いた(笑)この年はたくさんの友達と共に時を過ごし、毎日が充実して、本当に幸せだったと思う。

写真展に対する意気込みは、僕を表現するという心を捨てて、来た人すべてに対しわかりやすく、いい写真を見てもらうやり方を初めて選んだ。だから大きめのプリントで点数は少なめに。以前旅したイギリス、スコットランド、ギリシャ、トルコ、オキナワの写真を爽やかに選んだ。選択にかけた時間はほんの数時間だったと思う。これとこれでいいんじゃね?、そんな感覚である。でもそういう方が多くの人にとっては優しいのである。

展示をさせてもらった中野マグスは、20代の僕に欠かせなかったお店で、旅好きのオーナーと奥さんには、たくさんの写真を見てもらい、心が苦しくなった時には、何かと寄らせてもらっていた場所だった。僕が花屋でバイトをしていた時に一緒に働いていた人が、花屋卒業後にこの店のオープン時から働き始め、花屋のみんなで遊びに来たことが始まりだった。もっと経験を積んだらいつかここで写真展を。それから7年くらい経って、僕は旅の写真を連れてこの場所に戻ってきた。

ずいぶん長い期間やっていて、僕はたまに仕事もあったけど毎日来て、来てくれたお客さん9割以上は会うことができた。旅の心が宿っていた季節で、来てくれた人のすべて、見送るまですることに意義があるような気がした。素晴らしい出会いや再会がこれでもかというほどあって、こんなに楽しく過ごせた展示は初めてだった。この時、マグスのスタッフだったみっちゃんにも出会う。後にいう、ゆっこのこと。

展示が終わると、僕は写真ブログでもやろうかなぁと思った。2010年はブログの時代も終わるだろうみたいな頃。そこから僕は始める。小学生の頃も光GENJIのブームが去るような時にローラースケートを買ってもらったり、僕は本当に昔から世の流れについていけない人だった。3月21日、#0001、写ルンですで撮っていた渡り鳥から、フォトログ「写真は写真」は今日の#3415まで続いて7年が経つ。つまらない計算をすると1日に1.4回ほどのペースで写真と文章の更新を続けてきた。それ以降は、フォトログを拠り所としての僕がある。たくさんの人が見てくれたこともあるが、あの時の写真が、写真を越えて、現在や未来に関わっていくことを発見するのが、僕が楽しめること。どんな形であれ文章と写真を続ける。たくさんを集めながら、未来に連れていくものを選ぶこと。ここまで続けてこれてよかったなぁと思える。#3776 が最終回の予定です。その頃には7年前にやりたかったことを、ひとつ終えていると思うから。富士山の高さもたまに変わったりするだろうけど。

カメラマンの僕、この年は美術大学の大きな(稼げる)仕事がひとつなくなって(体制が変われば仕事というものは失くなるという勉強)やや落ち込んだけど、それを上回るくらいたくさんの種類の仕事に恵まれた。友人知人の結婚式もこの年だけで6回も。こんなに撮影をお願いされたこともなく、幸せだったというのはこのあたりから来ている。

秋の終わりの恒例行事、第3回沖縄サミットの時から、僕は6年間、ゆっこと共に今までにはないような幸せな時代を過ごすことになった。2010年から先の時代は、旧フォトログ(#3000まで)にたくさん残してきた。だからこの先を文章で振り返るつもりは今のところはない。2011年以降は、大事な旅に出る時だけフィルムを使って撮ることは続けている。

 

#3415-10-02 /  May I help you ? 5

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