制作も佳境に入ってくるといつも、あれ、ところで僕は何をしたかったんだっけ?、ふと思う時が来る。こんなに馬鹿げた問いはないのだが、無心でやってると本来自分が掲げたものすらどこかへ行ってしまう。

旅の写真展がやりたいか、そうではないような。友達にこんな国だったとずらっと説明する、それも絶対違う。なんというかな、僕は自分が生きていることを刻みたいだけなのか。今まで制作に没頭してきた幸せを、多くの人たちに見てもらいたい。それもちょっと違う気がするから、馬鹿げた問いも決して馬鹿にはできない。ひとつ言えるのは、楽しみに待ってくれる人たちの期待に応えたい、という使命感しかない状態。いつの間にか、そうなっていくんだ。

ここ数日、ゆっこが毎夏恒例の旅行に出て、ひとり(と猫2匹)で暮らす。いつもこのタイミングでゆっこ猫パンチの持病が発生するしきたりになっているので、あまり家からも出ないというここ数年の夏。冷凍庫には豚丼にするための具のストックとマッサマンカレー。展示で散財するだろう中で、いつもありがたい。彼女がいないと家はひたすら静まりかえっている。猫もつまらなそうに、寝てばかりいる(いつもは彼女が仕事から帰ってくると猫たちも活性化する)。

来月はこの制作状態から、また元の写真撮りに戻らなくてはいけない(僕は同時にできない)ので、あと1週間ほどですべての制作を終えるつもり。ほんとに展示の1ヶ月前に終わりそうで、新記録になるかもしれない。夏休みの宿題というお話はよくあるが、これを宿題とは捉えたくない。小学生だってそんなの今はネットで何とかしていることだろう。写真プリントは機械なわけだけど、今回は他の部分で自分の手をよく使っている。指先だけじゃなくて手を使うことって、生きることにつながると実感できる。

10月、会場の野ざらし荘に、これらの写真をあまり計画通りに設置しないこと、そこに僕なりの楽しみ方がある気がする。屋内だけど屋外感が半端ない場所だから、僕の写真に対する心も変わるかな。9月は久しぶりに結婚式の撮影(こればかりは制作モードの僕では臨めない)や、アーティスト加藤泉さんの富山での展示撮影、あとは姫路の高校、専門学校に通ったりするだろうか。自分の作品について考えている時間はない。最近は会いたいと思ってくれる人たちに気を遣わせてしまい、なかなか再会のチャンスも果たせずにいたが、少しでも時間を見つけて、多くの人たちに会いたいと願ってから寝よう。そして、猫は一緒に寝てくれない夏。

#3339-16-07 / Nozarashi-sou

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