やっと74本のフィルムスキャン(写真をデータ化)が終わったー!

旅から戻り、多くのひとからお帰りなさいと言われてきたものの、半ば意識的に誰にもただいまと言わなかった僕。すべての写真を見終えて、ようやくただいま。ただ今ただいま中。

2年前の南米旅フィルムは、ゴールデンウィークには60本を仕上げたが、中米キューバ旅の74本はそれ以上かかった。2700点くらいの中から2650点ほどを高画質スキャン(1点に5分以上かかる)。今年の僕は、この中で泳ぐか溺れるかしながら、さらなる時を過ごす。

共に旅したゆっこの日記を紐解きながら、もう忘れている日々を整理する。帰ってきてもそれなりにあった撮影仕事をしたり、最近は民宿とごしぎんざ2階ギャラリーで、ユッコ商店(メキシコ、グアテマラ民芸品販売会)のプレオープン期間をゆったり楽しんでいる。

展示形態も選びながらの空間作り、これもなかなか楽しい。お客さんがやってくるのはいいが、はっきり申して女子の世界なので、今、若旦那としての存在意義を問われているところである。キューバサンドでも作ってお客さんに振る舞いたいが、その勇気がなかなか出てこない。

買ってきた民族衣装のウィピル、ポーチ、雑貨等の写真をたくさん撮っている(やはり僕にできることと言えばこれくらいしかない)。マヤの人たちの手仕事は奥が深すぎるので、見れば見るほど発見。それを旅中に一瞬で判断してきた彼女の眼もさすが。この気の遠くなる刺繍を眺めていたら、2650点の高画質フィルムスキャンなんて、まだ織り始め縫い始めもいいところである。縦に横に斜めに(マヤ人の数学的思考はもはや理解不可能)、人々や国々や色々も組み合わせ、どこまで写真による世界観を作るか、また投げ出すことができるか。フィルムスキャンをキュイーンとしてきた間に、震災含め、本当に様々なことを考えた。最近ようやく、残さないといけない部分も少しだけ見えてきた。

数日前、尊敬する友達のデザイナーからものすごく良いプリンターを借りることもできた。いつまでも使っていてください、お前よかったな(プリンターに向かって)みたいな感じで、こういうことはお願いしてみるもんだと思えたし、何よりこんな友達が身近にいてくれるということだ。1階はネコたちの毛が入っちゃうので(多くのスキャンデータにももれなく添付)、2階のユッコ商店の隣で、僕は僕のことを、また無心で続けていきたい。

 

#3296-16-04 /  Huipil de Nahuala(Guatemala)

Posted in 16

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)