長めの海外旅に、地球の歩き方やロンリープラネット等のガイドブックを持っていくのは常だろうけど、そういうのを見ながらの旅が、どうしても悔しいというか少し恥ずかしくて(そう思う必要もない)自分たちの行程に合わせた特製の行動表を作った。ガイド地図をコピーした紙を折って重ねただけだが、A4サイズ、57ページ手書き、裏57ページに各町村の地図等、余白に日記やメモも残せる。

ネットでしか得られない生の情報や、得にくい町村の地図は自分の手で書き込んでいく。ガイドに載らない都市の分かりにくい市バス路線マップも手で書いて覚え込む。他ひとつひとつの行動にかかるお金、どうにもならなくなった時の大使館場所とそこからの復帰ルート、自分らの進む旅路だけに関してのガイドブック以上のガイドブックの出来上がり。いやあ、実に楽しい時間だった。

自由になるための旅のはずなのに、そもそもなんでこんな決めるようなことをしているのだろう。長年旅行会社で働いてきて、数年前に亡くなった親父のことを思う。ああ、僕の歳くらいになると、離れたくても近づいていくのだなと気付く。かつての僕は彼に逆らいながら自由であるはずの写真を選んできたようなところがあるが、実際の自由なんかより、どういう旅を細かく提供するか(自分らへだが)という血の方も強くあるらしい。

ほとんどの国へは、スマフォひとつで旅ができてしまう時代だ(僕はノートもスマフォもなくて海外に出れば基本ネットなし)。現地に居ながらにしてほとんどを自力でなんとかしてしまう旅人も稀にいるだろうが、僕もひとりならばそれが好きそうであるが、可能性を予めいくつも探っておく方が大好きなんだろう。

この魂の行動表があれば、共に旅するゆっこにとってもきっとよい道しるべにもなるだろう(ストレスたまらない→むやみに怒られない、もはや聖なるガイドブックだ)。僕は彼女に対してこれを作ったのかもしれないなあ。荷物は軽いにこしたことはないが、結局普通のガイドブックと同じような重さになってしまった(笑)

2月3日、メキシコシティーへ13時間。滞在はグアナファト、プエブラ、オアハカ、サン・クリストバル・デ・ラス・カサス。陸路で南下しながら19日グアテマラ入国。アティトラン湖周辺、曜日限定の各集落の市を巡りながら、最近大噴火しているフエゴ火山近くを過ぎて、ホンジュラス国境(コパン遺跡だけ)に寄り、グアテマラ北部へ。3月10日、陸路で再びメキシコ東南部に入りカンクン方面へ。3月15日に格安飛行機でキューバ入国、ハバナから東南部のサンティアゴ・デ・クーバへ、ここで音楽漬けになってしまうか、いやいかん少しずつ戻りながらハバナへ。3月31日、ハバナからメキシコシティーに飛んで、4月2日の朝、日本に戻る。

出発まであと6日ほど。僕はにやにやしながら何度も手書きの行動表を眺めている。そしてこんなものをすべて投げ出せるくらいの自分はどこにいるのかな、そんなことを思う。しかし今回の旅程も見事に親父の命日にぎりぎりかぶってしまった。ゆるせおやじよ、ハバナの旧市街から葉巻を線香がわりにし大聖堂で祈ろう。なまなま。

 

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#3221-16-01 /  Nuestro guía / Unos amuletos

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