いつも年末なんて、なんにも予定など入らないもんだけど、先週は濃い週になったと思う。ゆっこの誕生日のすぐ後、クリスマスという概念はいつもまるでないのだが、それでも僕にとっておもしろい1週間となった。バリエーション的には今年いちばんくらいのおもしろさだったかも。

最初は、プロフィール写真仕事の江戸川河川敷ダブルヘッダー。役者さんを目指す学生を卒業したての子と、僕ら盟友と呼び合うボーカリスト(音楽家)の伊藤大輔の撮影。最初の若い子はプロに写真なんて撮られるの初めてで、どうすればいいかよくわかんないんです、という感じ。大輔の方は多忙で人気者一直線の男なので、撮られ慣れ過ぎているというか、その両者を続けて撮ると僕としてはだいぶ困る感じになる。つまり対極だ。とにかくつかれるんだよ、こういう半日は(笑)

大輔は北海道ライブ帰りで夕方前に成田から直、その日そのわずかな時間しか取れなくて、しかも僕の都合で江戸川で撮る感じになったけど、直前でやっぱりジャジーでムーディーな感じも必要になりましたなんて言われて、おい金八先生的な江戸川でそんなの撮れるかー!というお話だったけど、まあなんとかなった。若い子の方はとにかく撮られる自分を楽しんでもらう、大輔の方はユニーク過ぎてなかなか崩せないのだけど、割り切って色んなパターンで多くの人に見てもらうというやり方。それぞれすごく充実したものになったのは言うまでもない。

その翌22日には、僕が写真をはじめた記念日を迎えた。その日は猫のパンチを3枚撮っただけで、ダブルヘッダーの写真をわたすためのデータづくり。前日大輔からの謝礼封筒には、提示した額より1枚多めに入っていた。間違っていませんかのメールをいちおうしてから、いろんな意味合いを16回目の写真記念日に考える。なぜだか知らないけど、僕の好きな友達の多くは、自分が佐藤君にちゃんとお願いできる立場になれるように、という言葉を今まであまりにもたくさん言ってくれたりしたものだ。しかも明らかに僕の方こそがその人を尊敬しているのにそう言ってくれるのだ。こういうお金のやりとりは大変むずかしいのだけど、僕なんかに関わってくれる人たちの想いはほんとにありがたいな。僕はそういうことがとにかくできない。互いになにか表現しているからには、お互い良き時代になるよう、ということなんだよね。この種の願いがあるかないかで、この先、ひとり身で続けていけるかいけないかが決まると言っていいだろう。2回書くけど、僕は最近これがなかなかできない。友達(の友達)であるならば、いつも半分くらいの額にしてしまう自分がいる。

翌日23日は、ゆっこと派手にケンカした。これはあんまり書きたくないなあ。いつも彼女のマグマが激しく噴火するシーンはキッチン(食べ物関係)まわりであるのが80%ということが分かる。僕が彼女にとって余計なことをした時に起こるので、僕としてはもう彼女のいるキッチンには向かいたくないのだが、それでも僕は果敢に向かってしまう性格らしい(それを愛と思う自分が間違っているという話だ)。仕事場の1メートル左がキッチンなので、こればかりはどうしようもないという話でもあるのだけど(笑)。

クリスマスイブ、お昼過ぎから翌日の撮影の顔合わせをして、夕方過ぎに12年半ぶりに高校時代の同級生と戸越で再会した。彼は10年以上ロスに住んでいて、世界的まであともうほんの一息の建築デザイナーになっていた。イタリアのすんごい未来的な(稚拙ですみません)建築物とかのデザインをしたり、まさに世界中を飛び回っている。15年前のクリスマスに一緒に映画館で「もののけ姫」を見たり、江戸川の土手でぼんやりした仲でもある。

前にも書いたことがあるけど、僕らは神奈川の名のあるエリート高校に通っていて、彼は同じクラス、芸術方面にも興味があってエリート高校の中でも稀な人でもあった。小沢健二とかコーネリアス、テクノ方面の音楽が好きだった。僕は一浪でしかも補欠で(笑)美大に受かったけど、やがてすぐ無理がたたって暗黒の時代へと向かった。その時代をそれこそ隅から隅まで知る唯一の人だろう。僕も彼の暗を多少は知るが、よくまあひとりで海外行くしかないと決めてから、そこまでやってきたもんだ。ある日駅で見送った時は、もう会えないかもとまで思ったよ。僕はそれから写真とどっぷり付き合うようになり、最近では色んなものを削ぎ落とし(見ないふりともいう)ながら、よくこんなんで生きているよなあ、とこれもまあ、彼とは対極と言えば対極の生き方である。これがほんとにいい再会だったんだな。よし、俺も久しぶりにがんばろうかなあと思ったのだ。なにを?、分かりよく書くと、フェイスブックでいいね!をたくさん獲得することや(そんなの簡単だよね?)何かの順位を作ってでも押し上げる(これは難しい)類いのことかなあ、なんてね。

彼が、かつて僕の中に確実にあった、自分だけの表現をしていこうとする勇気、それを再びくれたおかげで、ゆっことけんかしたこともけろっと忘れた。夜遅い仕事帰りのゆっこをいつものように駅まで迎えにいって、メリークリスマス!ってなもんだ。

25日は昼過ぎから撮影仕事だった。なんの?、カメラマン人生2回目の建築施工写真である。三脚立ててしっかり新築の家を撮るやつ(最近そういうかちっとした分野にも僕のような感じの写真も一部では求められ始めている)。でもまてよ、江戸川、同級生、建築デザイナー、施工写真、ケンカ以外は繋がってきたこの1週間、ほんとすげえなあと思う。これはいつも写真の展示会場で世話になってきた中野マグスの常連さんから頂いたお仕事。よし現場へ行くぞ、どこへ?、なんと自分のアパートから歩いて40秒くらいのご近所さんである。これは戸越銀座に住んでいるからというだけで、仕事が舞い込んだようなものである。これだからフリーの仕事はおもしろいんだよなあ。

ここ数年の僕、アーティスト加藤泉さんの作品撮影や、ペインター淺井裕介くんの彫刻の森美術館の個展撮影やらの経験が功を奏し、こういう空間自体を映すことも仕事としては割と得意になってきているらしく、前は絶対やりたくなかったことが、楽しいことのひとつになりつつある。それを今年最後に確認する大切な仕事納めとなった。今年は今まで通りたくさん稼いできたわけでもないけど、だんだん依頼の数は増えているし、やってよかったなあというものが圧倒的に多かったし、なによりすべて楽しみながら撮れたことがいちばん大きいことだろう。

来年はすぐに丸2ヶ月間も旅に出ることもあって、お金を稼ぐカメラマンとしては10ヶ月しか挑戦はないけれど、もっと充実したものになりそうな気がしている。それも今年お世話になった皆々様、ほんとうにどうもありがとうございました、に尽きてしまう。こういうふうにまとめる気は一切なかったのだけど、そうなってしまったからには、うん、そうしておきます。

 

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#3184-15-12 /  Flower Road

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