今日12月22日は、僕が写真を撮りはじめた記念日である。

これにはものすごく思い入れがあって、毎年さあ今日からまたがんばるぞ、なんて思ってきたのだが、今年くらいから、そういうのもういいかなーという気持ちになっている。16年たった、たとえ20周年を迎えたとしても、あっそうくらいな感じになりそうということだ。

とても大きな変化である。これまでの僕だったら、まず前夜からキャンドルでも灯して、過去々々の魂を宿らせその1年のはじまりの1枚を撮っているはずだろう。そこまで写真が日常になったわけでもないが、確実に自分のものにしている感じが、少しだけ気持ちにゆとりを与えているのかな、といいように捉えることにする。

そんな記念日の前日は、撮影仕事のダブルヘッダーを、江戸川の河川敷でやってきた。依頼を受けた両者とも千葉の人たちで、うまい具合にそうなった。野球場もたくさんあるんだから、ダブルヘッダーやっても不自然じゃない。ひとりはこれから役者を目指す大学を卒業したての若者、もうひとりは大切な友人の音楽家の撮影となった。

僕はその昔、写真をはじめる前や、はじめてからすぐの時、何度もここに来て、ある悲観の中に僅でも希望を見つけようと、わざわざ孤独な気持ちを、はるばるこの場所まで確認しにきたものだった。のんびりとしたところだけど、写真を始めた僕にとってはまさに聖地で、久しく来ていなかったから感慨深くなるかと思いきや、前述したように、これがならないのだ(仕事に集中していたのもあるんだけど)。それよりも、撮影がおわってから仲間と飲むビールがうまい、それこそがいいオヤジにもなった証であり、人としての幸せがあるように最近は思うのだろうなぁ。

それでも、小岩駅から河川敷まで歩く道のり、土手から高架をわたって対岸へ、ある時は海の方へ、変わらずにある標識、町の工場、遠くに見える金字塔。ここから僕は、僕であることを選んだ事実だけはしっかり残る(#0001 の渡り鳥の写真はここで撮ったんだよ)。

今日も一生懸命、大切な人たちへ、あの時の自分へと。そうだ、写真を撮っている。

 

3179

 

#3179-15-12 /  The Edo River 3

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